年末調整について

平成25年も残すところあと1か月となりました。今回の大ちゃんニュースのテーマはこの時期によくお問い合わせをいただく年末調整です。
 年末調整とは勤務先から貰う給与について支給期に源泉徴収された所得税について過不足の調整を行うことです。年末に行われることから年末調整といわれています。年末調整は給与所得について行われるもので、事業所得等については年末調整という手続きはなく、翌年確定申告を行うことになります。
○配偶者特別控除
 配偶者特別控除とは、配偶者に38万円を超える所得があるため配偶者控除の適用が受けられないときでも、配偶者の所得金額に応じて、一定の金額の所得控除を受けることができるものです。
配偶者控除は38万円を超える所得がある場合、配偶者控除を受けることができません。しかしながら38万円を超える所得がある場合にも、その所得金額に応じて3〜38万円の控除を受けることができます。配偶者特別控除を受けるためには以下の要件を満たす必要があります。
(1) 控除を受ける人のその年における合計所得金額が1千万円以下であること。
(2) 配偶者が次の5つのすべてに当てはまること。
イ. 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)。
ロ. 納税者と生計を一にしていること。
ハ. 青色申告者の事業専従者としてその年を通じ一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。
ニ. 他の人の扶養親族となっていないこと。
ホ. 年間の合計所得金額※が38万円超76万円未満であること。
※合計所得金額についてはこちら(国税庁HP)
配偶者特別控除の控除額は配偶者の合計所得金額に応じて控除額が違います。具体的な控除額についてはこちらでご確認ください。
 実際に配偶者特別控除を受けるための手続きについては、勤務先より配られる「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」に配偶者の氏名及び配偶者の収入額等を記入し、提出することにより適用を受けることができます。また、確定申告をすることによって適用を受けることもできます。

○生命保険料控除
 生命保険料控除とは、納税者が一定の生命保険料、介護医療保険料及び個人年金保険料を支払った(本人が支払ったものに限る)場合に、一定の金額の所得控除を受けることができる制度です。平成24年1月1日以後に締結した保険契約等に係る保険料と平成23年12月31日以前に締結した保険契約等に係る保険料では、生命保険料控除の取扱いが異なります。それぞれの控除額についてはこちらをご確認ください。
生命保険料控除の対象とされるためには、保険金、共済金その他の給付金の受取人のすべてが所得者本人または所得者の配偶者や親族となっていることが必要となります。
また、保険期間が5年未満の生命保険などの中には、控除の対象とならないものがあるので注意が必要です。
生命保険料控除を受けるための手続きについては、配偶者特別控除と同様、「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」にその保険契約の内容や支払金額を記入し、10~11月頃に各保険会社から送られてくる「保険料控除証明書」を添付することにより受けることができます。また、確定申告をすることによって適用を受けることもできます。

○社会保険料控除
 社会保険料控除とは、自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を給与から控除された場合又は支払った場合に受けることができる控除です。自分にかかる社会保険料はもちろん、生計を一にする配偶者や子などのその他の親族が負担すべき社会保険料を自分が払った場合にも控除を受けることができます。
この場合、その社会保険料を生計を一にする配偶者やその他の親族ではなく、自分が負担していなければならないため注意が必要です。
生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料について控除を受ける場合の手続きについては、「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」にその社会保険の種類や支払金額を記入し、国民年金については「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」を添付することにより受けることができます。

今回は、特にご質問の多い控除についてピックアップいたしましたが、年末調整の詳しい内容や手続きについてはこちら(国税庁HP)でご確認ください。