動画ニュース

2008年

 平成20年度の税制改正において、「地方法人特別税等に関する暫定措置法」が新たに施行されました。消費税を含む税体系の抜本的改革が行われるまでの間の暫定措置として、法人事業税の一部を分離し、「地方法人特別税」が創設されるとともに、「法人事業税(所得割・収入割)」の標準税率が引き下げられました。
平成20年10月1日以後開始事業年度から適用されます。これにより、法人は事業税、都道府県民税の他に地方法人特別税を納付することになります。しかし、法人事業税の税率が引き下げられたことにより、法人事業税と地方法人特別税の合計額は、改正前の法人事業税の額より増えることはありません。
 
地方法人特別税は、法人事業税に地方法人特別税の税率を掛けて計算されます。
税率は、以下の税率とされています。(地方法人特別税等に関する暫定措置法第9条)
   @ 外形標準課税が適用される法人・・・・・・148%(所得割額に対する税率)
   A 所得割のみ課される法人・・・・・・・・・・・・ 81%(所得割額に対する税率)
   B 収入割が課される法人・・・・・・・・・・・・・・ 81%(収入割額に対する税率)
地方法人特別税の会計処理は、法人税法上では法人事業税と同じく法人の損金(損金算入)になります。
 ちなみに、法人地方税は法人住民税と法人事業税の2つに分けられ、法人住民税は法人の損金にならない扱い(損金不算入)で、法人事業税は法人の損金になる扱いになります。

 地方法人特別税が創設されたことによる注意点としては、申告書の書き方に変更があった以外は特に影響はないといえるでしょう。

 平成19年12月に発表となった与党税制調査会の税制改正大綱の中にあったものの中で、もっとも注目されたもの。それは50年ぶりとなる相続税制の大改正案で今年の10月から導入が検討されています。
具体的にどのように変わることが検討されているかというと、
『法定相続分課税方式』から『遺産取得課税方式』への改正です。
『法定相続分課税方式』とは、相続財産を法定相続分で分割したものとして相続税の総額を計算し、それを実際に取得した相続財産の割合で按分し相続税を負担する方式で、遺産の額と法定相続人の数が同じである限り相続税の総額は一定となります。
『遺産取得課税方式』とは、相続財産を取得した各人ごとに一定の基礎控除額を設定し、それを超えた財産額、いわゆる課税対象金額に税率を乗じて各人の税額を求める方式で、同額の財産を取得した場合は相続税の負担が同じとなります。

この大改正による影響としては、
・申告義務者が大幅に増加する。
・遺産分割の方法によっては相続税の合計額が異なってくる。
・自己が取得した財産だけで正確な税額の計算・申告ができるため、相続人の1人の申告漏れにより他の共同相続人に追徴税額が発生することはない。
・分割困難な資産の負担は相対的に重くなる。
・課税価格の減額措置は居住などを継続する者のみに減税効果がおよび、他の相続人の税負担は、軽減されない。
などが考えられます。

現状では基礎控除をいくらにするのか、また適用税率は現行のままなのかなど、検討課題は残されていますので今後の動きを注視しておきたいところです。続報が入り次第、またこのニュースでも取り上げてまいります。

HOME > 動画ニュース > 2008年