「領収証」等に係る印紙税の非課税範囲が拡大について
事業者が作成する領収証やレシートなどの「金銭又は有価証券の受取書」に係る印紙税については、平成26年4月1日以降に受取金額が5万円未満のものについて非課税となります。(平成26年3月31日までは、記載された金額が3万円未満のものが非課税です)
また、「不動産の譲渡に関する契約書」及び「建設工事の請負に関する契約書」のうち、一定の要件に該当する契約書の印紙税を軽減する措置が平成30年3月31日まで延長され(第1号の1文書及び第2号文書関係)、平成26年4月1日以降に作成されるものについては、印紙税の軽減措置が拡充されることとなりました。
くわしくはこちら『「不動産譲渡契約書」及び「建設工事請負契約書」の 印紙税の軽減措置の延長及び拡充等』(国税庁HP)
第17号文書の金銭又は有価証券の受取書であっても、受け取った金銭などがその受取人にとって営業に関しないものである場合には、非課税となります。
営業というのは、一般に、営利を目的として同種の行為を反復継続して行うこととされており、おおむね次のように取り扱っています。
(1) 株式会社などの営利法人の行為は、その営利法人が直接作成する株式払込金領収書などを除いて営業になります。
(2) 公益社団法人・公益財団法人などの公益法人の行為は、すべて営業になりません。
また、一般社団法人・一般財団法人は、剰余金の分配金の分配等をすることができないため、その行為も営業になりません。
(3) 協同組合など会社以外の法人の行為は、次のようになっています。
法令の規定などにより利益金又は剰余金の分配などをすることができることになっている法人の場合に、出資者以外の者との行為は営業になり、出資者との行為は営業になりません。
(4) 人格のない社団の行為は、次のようになっています。
公益及び会員相互間の親睦等の非営利事業を目的として設立されている場合には、営業になりません。
その他の人格のない社団が作成する受取書で、収益事業に関して作成するものは、営業になります。
(5) 個人の場合、「商人」としての行為は営業になり、事業を離れた私的日常生活に関するものは営業になりません。
なお、店舗などの設備がない農業、林業又は漁業を行っている者が自分の生産物を販売する行為や医師、歯科医師、弁護士、公認会計士などの行為は、一般に営業に当たらないとされていますので、これらの行為に関して作成される受取書は営業に関しない受取書として取り扱われます。
印紙税は明治時代からある古い税目であり、課税根拠は課税文書が作られる背景には取引があり、それに伴う経済的利益の存在を推定することが可能で、税を負担する能力があるからなどといわれていますし、文書を作成することによって取引事実が明確化し法律関係が安定化することに着目して広範囲な文書に軽度の負担を求める文書課税などといわれています。
明治時代からある古い税目が現在の社会の中で必ずしも当てはまっているかどうかの議論はあるようですが、課税文書に印紙を貼らなかった場合には、本来納付すべきだった印紙税の3倍の過怠税を徴収されることがありますので注意が必要です。
くわしくはこちら『印紙税の手引き(国税庁HP)』