住宅エコポイントの税務上の取り扱いについて
住宅エコポイントは、国が定めた一定のエコ基準に基づき住宅を新築または改修をした場合に、工事内容に応じたポイントがエコポイント事務局から買主に付与され、商品や金券等と交換もしくは一定の環境団体へ寄附もしくは追加工事の費用への充当(即時交換)ができる制度です。
まず、法人が住宅エコポイントを付与され商品や金券等と交換した場合の税法の取り扱いについてですが、買主は、エコポイントを付与された段階では何ら経済的利益の付与を受けません。実際に交換をすることによって経済的利益の供与を受けることになるため、商品や金券等と交換したタイミングで収益に計上する必要があります。
一方、本体工事で付与されるポイントを追加工事の代金に充当する「即時交換」を行った場合、買主にはポイント相当代金を控除した金額が工事代金として請求されます。
一見すると、これが工事代金の値引きに該当しそうですが、税務上は値引きとはなりません。
というのも、ポイント相当代金は、ポイント事務局から工事施工者に直接支払われる仕組みとなっていますが、実態は、一度買主にポイント相当代金が付与され、その代金を工事費用に充当したと言えるためです。
また、仮に追加工事が固定資産の取得に該当する場合、エコポイント相当代金は、エコカー補助金等と同様に国からの補助金として圧縮記帳の対象になるものと考えることができますが、この住宅エコポイントは国からの「補助金」ではなく、あくまでも「ポイント」であるため、税務上も補助金と扱われません。結果として圧縮記帳の対象にならないようです。
したがって追加工事により新たな固定資産を取得した場合における取得価額は、ポイントを差し引く前の金額となるとともに、ポイント相当代金は雑収入として収益に計上する必要があります。
また、個人が住宅エコポイントの交付を受けた場合、上記と同様に付与された段階では経済的供与を受けていないため、税務上は何の課税関係も生じませんが金券や商品券等と交換した時点で利益の供与を受けたことになるので1ポイント1円のポイント相当額が一時所得として課税の対象となります。