平成21年分確定申告のポイント・配当所得について
平成21年分の確定申告の時期が近づいてきました。申告を必要とされる方は、そろそろ準備をされているころではないかと思います。
平成21年分の確定申告のポイントについて、今回、配当所得をクローズアップしたいと思います。
まず、配当所得とは株主や出資者が法人から受ける配当や投資信託(公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託以外のもの)及び特定受益証券発行信託の収益の分配などに係る所得をいいます。
配当所得については、所得税15%・住民税5%が源泉徴収されることとなっていますが、平成23年12月までの上場株式等の配当等(発行済株式の総数等の5%以上に相当する数又は金額の株式等を有する個人を除く)については所得税7%・住民税3%の軽減税率が適用されることとになっています。
配当所得は、原則として総合課税の対象とされますが、特例として、確定申告不要制度が採られています。従来、配当所得は、給与所得等と合算される総合課税を選択し、配当控除を受けることができましたが、高額所得者にとっては総合課税の選択は不利になり、申告不要を選択している人が多数でしたが、平成21年1月1日以後に支払いを受けるべき上場株式等の配当所得については、総合課税によらず、申告分離課税を選択することができるようになりました。
これにより上場株式等の譲渡損と上場株式に係る配当金との損益通算ができるようになり、この損益通算を利用して、配当から源泉徴収されていた源泉所得税の還付を受けることができるようになります。
ただし、すべての人が申告有利となるわけではなく、他の所得者の配偶者(扶養)控除の適用を受けている人は、配当所得を申告することによって配偶者(扶養)控除の要件を満たさなくなり、結果として他の所得者の税金を増やしてしまうことになってしまう等、申告する場合には慎重に検討することが必要となります。