税制改革と税制改正について
政権交代で税制改革が注目されます。
民主党はマニフェストの中で税制改正過程の抜本改革を謳っています。「税制改正について、公平・透明・納得という納税者の視点に立った原則の下で政治主導の政策決定を行うとともに、政策決定の過程も透明化します。」(民主党政策集INDEX2009より抜粋)と述べています。
今回、税制改革が今後どのように行われるか注目される中で主な内容をピックアップしました。
≪税制抜本改革の主な内容≫
・ 租税特別措置透明化法を制定して租税特別措置を見直す。
・ 所得税は高所得者に相対的に有利になる所得控除(配偶者控除、扶養控除など)から
税額控除や手当て(子ども手当など)に切替える。
・ 消費税を財源とする最低保証年金を創設する。
・ 公的年金等控除について平成16年度改正以前の状態に戻し、65歳以上の方の最低
保障額を120万円から140万円に引き上げ、また、老年者控除(50万円)を復活させる。
・ ガソリン税や自動車重量税などの暫定税率を廃止する。
・ 中小法人の軽減税率を18%から11%に引き下げる。
・ 特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度を廃止する。
・ 相続税について富の一部を社会に還元する考え方に立つ「遺産課税方式」への転換を
検討する。
・ 特定非営利活動法人支援税制等の拡充を行う。
また、これまでの税制改正議論が与党税制調査会、政府税制調査会、経済財政諮問会議によってバラバラに行われてきましたが、これからは財務大臣の下に政治家をメンバーとする新たな政府税制調査会を設置し、政治家が責任を持って税制改正作業及び決定を行うようになります。
こうしたことから、各省庁の税制改正要望等を受け議論される平成22年度税制改正に注目したいです。