平成20年12月12日に与党より平成21年度税制改正大綱が発表になりました。今回の税制改正大綱は、大幅に減税するものとなっています。
中小企業対策として注目されるのは、法人税率引き下げで、現在の年800万円以下の所得に対して認めている軽減税率22%を18%にまで引き下げるというものです。これは適用期限があり、平成21年4月1日から平成23年3月31日までの間に終了する各事業年度となっています。
また、現在は設立後5年以内の中小企業など適用が一部に限られている欠損金の繰戻還付制度についても復活し、公益法人・協同組合や人格のない社団なども対象とされました。
欠損金の繰戻還付制度とは、前事業年度は黒字で法人税を納めた企業が、次年度赤字に転落し欠損金が生じた場合、その欠損金額を前事業年度の所得に繰り戻して、納めた法人税のうち、納めすぎとなった部分を還付請求することが出来るという制度です。ただし、注意が必要となるのはずっと赤字である企業は使えないということです。
また、適用を受けることが出来る企業であっても、慎重な対応が必要となります。それは、欠損金が出た場合に、翌期以降7年間、所得よりその欠損金額を控除できる欠損金の繰越控除を適用することが出来るからです。
繰り戻し還付による手元資金の充実と将来の税負担を軽減する繰越控除、将来の自社の動きを予測しながら、どちらを選択するかを決定することとなるでしょう。