平成19年12月に発表となった与党税制調査会の税制改正大綱の中にあったものの中で、もっとも注目されたもの。それは50年ぶりとなる相続税制の大改正案で今年の10月から導入が検討されています。
具体的にどのように変わることが検討されているかというと、
『法定相続分課税方式』から『遺産取得課税方式』への改正です。
『法定相続分課税方式』とは、相続財産を法定相続分で分割したものとして相続税の総額を計算し、それを実際に取得した相続財産の割合で按分し相続税を負担する方式で、遺産の額と法定相続人の数が同じである限り相続税の総額は一定となります。
『遺産取得課税方式』とは、相続財産を取得した各人ごとに一定の基礎控除額を設定し、それを超えた財産額、いわゆる課税対象金額に税率を乗じて各人の税額を求める方式で、同額の財産を取得した場合は相続税の負担が同じとなります。

この大改正による影響としては、
・申告義務者が大幅に増加する。
・遺産分割の方法によっては相続税の合計額が異なってくる。
・自己が取得した財産だけで正確な税額の計算・申告ができるため、相続人の1人の申告漏れにより他の共同相続人に追徴税額が発生することはない。
・分割困難な資産の負担は相対的に重くなる。
・課税価格の減額措置は居住などを継続する者のみに減税効果がおよび、他の相続人の税負担は、軽減されない。
などが考えられます。

現状では基礎控除をいくらにするのか、また適用税率は現行のままなのかなど、検討課題は残されていますので今後の動きを注視しておきたいところです。続報が入り次第、またこのニュースでも取り上げてまいります。